キャリー・ストーリーのまとめwiki -
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*碧き境界の継承者 (ID10454)[#ld0841e6]
**説明 [#b96047ee]
誰かが記した本のようだ……
**内容 [#ibef82b6]
***1ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID87474)};[#i162f3fb]
これは、とある船の旅を記した、航海日誌。^
~
<目次>~
≫27日目&COLOR(BLUE){(2ページ目へ)};~
≫28日目&COLOR(BLUE){(3ページ目へ)};~
≫29日目&COLOR(BLUE){(4ページ目へ)};~
≫30日目&COLOR(BLUE){(7ページ目へ)};~
≫31日目&COLOR(BLUE){(12ページ目へ)};~
≫32日目&COLOR(BLUE){(16ページ目へ)};~
≫33日目&COLOR(BLUE){(20ページ目へ)};~
≫34日目&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};~
≫35日目&COLOR(BLUE){(28ページ目へ)};~
≫36日目~
≫37日目~
≫38日目~
≫39日目~
≫月のない夜~
≫全滅~
~
次へ
***2ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID87476)}; [#t7e14d04]
27日目~
~
白い雲が、水平線の向こうから煙のように立ち上がっている。~
~
のどかとも言える風景だ。今日も大きなトラブルもなく、船は...
~
と言うよりも、『今日も何も見つからなかった』という方が適...
~
事故はないのが一番だが、成果もないのにはそろそろ飽きた。~
~
おかげであの人の機嫌も悪い…。~
~
ほら、今も甲板で大きな声を出してる。あの人はホント、いつ...
~
ん?「船が見える」って声が聴こえるな。~
~
変化は大歓迎、ちょっと見てくるとしよう。~
~
次へ
***3ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88018)}; [#m1969026]
28日目~
~
今日も船は水平線の彼方を目指して進んで行く。~
~
別に彼方を目指したいわけではないのだが、もう何日も水平線...
~
昨日見つけた船、あれからなかなか距離が縮まらない。~
~
最初は向こうが逃げようとしているのかと思ったが、船首がこ...
~
じゃあなんなのかって?こっちが聞きたいくらいさ。~
~
次へ
***4ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88468)}; [#pda1f352]
29日目~
~
魔の海域、と呼ばれる海がある。~
~
そこには「大いなる力を秘めている」と伝えられる秘宝が眠っ...
~
それは伝承の中の海であり、その居場所を知るものは誰もいな...
~
伝承自体を正しく知っている者さえ、ほとんどいない。~
~
次へ
***5ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88469)}; [#e3e59630]
ただ、その場所ではいろいろと不思議なことが起こるらしいっ...
~
だから「船の距離が縮まらない」なんてことも不思議じゃない。~
~
それはつまり「ここがお目当ての場所だった」ということだ。~
~
次へ
***6ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88470)}; [#w9a78af1]
あの人はその閃きに、嬉しそうに笑ってたよ。~
~
確かに目的の場所にはたどり着いた。~
~
でもどうする?進むことも戻ることも出来ないんじゃ、打つ手...
~
ところがあの人には何か考えがあるみたいで、「任せときな」...
~
昔から、可愛い顔して妙に人を安心されるところがある。~
~
だから誰も不安なんて感じてないさ。きっと明日には何かが始...
~
次へ
***7ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88970)}; [#vad5af4a]
30日目~
~
昨日の予感は正しかった。~
なぜか今日になり、急に船との間が縮まるようになったのだ。~
~
やがて、俺たちの船に乗り移ってきたのは、一風変わった集団...
見た感じ船乗りには見えない。積み荷だって船旅をするには少...
となると、海賊の襲撃にでもあったどこかの商船の用心棒とい...
護るべきものを護れず、自分たちだけ逃げ延びたのだとすれば…...
~
あの人――“フレイヤ”も同じことを思ったのだろう。~
~
「……そういうの許せないんだよね」~
~
漏らした言葉を俺だけは聞き逃さなかった。~
~
次へ
***8ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88971)}; [#n0a7272e]
「なんにせよ運がないね、アンタたち」~
~
フレイヤは、この海が呪われていることを奴らに告げた。そし...
~
「でも、この船ならアンタたちを無事に陸地へ届けることが出...
~
そういうと、ちらりと奴らの荷物を一瞥した。~
奴らは自分たちの荷物を……~
~
・素直に見せた&COLOR(BLUE){(9ページ目へ)};~
~
・かなくなに見せようとしなかった&COLOR(BLUE){(10ページ目...
~
***9ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88973)}; [#f21ff547]
「はぁ? りんごに……ろうそくに……しおり? アンタ、こんな...
~
あきれたように、フレイヤは大げさに空を仰ぐ。~
~
「こんなものもらったって、何にもなりゃしないよ。やれやれ...
~
だが、その後に続いた言葉は予想外のものだった。~
~
次へ&COLOR(BLUE){(11ページ目へ)};
***10ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88974)}; [#ie8599be]
「なんだい、大事そうに荷物を抱えちゃって。アンタ、自分の...
~
フフッ、とフレイヤは不適に笑う。~
~
「威勢がいいのはキライじゃないけど、だったら他に何をして...
~
そして、その後に続いた言葉は予想外のものだった。~
~
次へ&COLOR(BLUE){(11ページ目へ)};
***11ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88975)}; [#b312c064]
「まぁいいや。アンタ達、うちの船でしばらく面倒見てやるよ」~
~
突然の提案に、奴らは状況が全く飲み込めてないようだ。~
なんせ、俺を含むほとんどの船員も唖然としたのだから、当然...
~
「この船じゃなければ、この海から抜けられない。それは本当...
~
でもね、と続ける。~
~
「代価を支払えないヤツと、働かないヤツには食わせない。そ...
~
働くっていったい何をすれば……そんな疑問と不安が面白いくら...
~
確かに、奴らは運がないみたいだ。よりによってこの船に拾わ...
~
次へ
***12ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89396)}; [#e31c6399]
31日目~
~
「で、アンタたちは結局、何者なの?」~
~
食事の席で、フレイヤが奴らに聞いた。~
~
昨日、奴らを新入りとして面倒見ると言うや否や、まるで準備...
その存在感に俺たちは一瞬ひるんでいたが、新入りたちはなん...
こうなると、ただの商船の護衛とは思えない。ましてやそこら...
~
新入りたちはフレイヤの問いかけに……~
~
・「本の世界を旅してまわっている」と答えた&COLOR(BLUE){(1...
~
・「ただの旅人だ」と答えた&COLOR(BLUE){(14ページ目へ)};
***13ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89397)}; [#y424423b]
「本の世界……って、さっぱり意味わからないんだけど?」~
~
首をかしげるフレイヤに、新入りたちはこれまでどんな本の世...
~
「……ふぅん」~
~
隣に座っている俺にこっそり耳打ちする。~
~
「なんだか、変わった奴らだね」~
~
確かに。本の世界と言うわりには、そのどれもが聞いたことの...
~
次へ&COLOR(BLUE){(15ページ目へ)};
***14ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89398)}; [#e7296afd]
「へぇ、どんなところ旅してきたの!?」~
~
目を輝かして尋ねるフレイヤに、新入りたちはこれまでどんな...
~
「それって本当の話? なんだか、おとぎ話みたいだね」~
~
腑に落ちない顔をしてフレイヤが言う。~
確かに、新入りたちの話は不思議で突拍子もなかったが、作り...
~
次へ&COLOR(BLUE){(15ページ目へ)};
***15ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89399)}; [#i87ee095]
そんなことを言いながらも、フレイヤはますます新入りたちに...
~
だが――~
~
「龍が出たぞ!」~
~
船員の声で、空気が変わる。話はそこで中断し、フレイヤは勢...
~
「話はまたゆっくり聞かせてもらうよ。今は、昔のおとぎ話よ...
~
水しぶきをあげて首をもたげる巨大な影に、フレイヤは誰より...
~
次へ
***16ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89815)}; [#pc08271e]
32日目~
~
今日、立ち寄った島で不思議な鳥を目撃した。その島に生息い...
~
ふわふわとした毛並みに、青い瞳。いや、まぁそれだけなら別...
~
それは、まるで船乗りを気取るかのように、帽子と服を身につ...
まだ子供なのだろうか。せわしなく歩き回っては、つまづいて...
~
だが見た目に騙されてはいけない。~
可愛らしい外見とは裏腹に、ちょっとでも手を出そうものなら...
~
次へ
***17ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89816)}; [#pa860818]
可愛い外見とは裏腹に、ってとこはフレイヤと同じだな。~
~
鳥を見つけるや否や「かわいい!」なんて言っちゃって、捕ま...
~
そういうところ、まだ小娘だなぁと思うよホント。~
~
「ほら!そっち行ったよ!」~
~
追いまわされた鳥が、新入りたちの方へと走っていく。フレイ...
~
・鳥を捕まえようと身構えた&CLOR(BLUE){(18ページ目へ)};~
~
・慌てて横に飛び退いた&COLOR(BLUE){(19ページ目へ)};
***18ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89817)}; [#e53f34a8]
「ピキュッ!」~
~
甲高い鳴き声をあげ、鳥が高く飛んだ。新入りたちは驚き、空...
~
そいつは、たまらずその場でひっくり返るが、鳥は綺麗に着地...
~
体型からしてまさかとは思ったが、案の定飛べはしなかったか。~
~
フレイヤは、よっぽど目の前の珍事がおかしかったらしく、腹...
~
それは誰かのための作り笑いではなく、久々に見る、心からの...
~
少し悔しくもあるが……俺は、新入りたちに少しだけ感謝した。~
~
次へ&COLOR(BLUR){(20ページ目へ)};
***19ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89818)}; [#t5e5a90e]
遮るもののない道を、鳥が一目散に走って行く。~
ものすごい早さだ。あの身体の小ささと足の短さで、どうして...
~
フレイヤは追いかけるのをあきらめ、その後ろ姿を見送った。~
~
「ちょっとー。なんで避けたのさ!?」~
~
じろりと抗議の視線が向けられると、新入りたちはバツが悪そ...
~
「わかった。アンタたちまだ新人だし、海賊流のチームワーク...
~
チームワークなんて言葉、お前知ってたんだな……思わず口から...
~
次へ&COLOR(BLUE){(20ページ目へ)};
***20ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90434)}; [#m1cf62a2]
33日目~
~
俺たちは“異変”に気づいていた。~
~
伝承の海『魔の海域』。そこには秘宝を護る守護者がいるとい...
その守護者とは、いまさら言うまでもなく、あの龍たちのこと...
~
だが、おかしい。龍の出没範囲が、明らかに広すぎる。~
~
例えば、この辺りには人が住む島もある。その近くさえ、龍が...
未だつかめぬ秘宝の手がかり。この海に起きている異変に、ヒ...
~
次へ
***21ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90435)}; [#n5a3fc34]
それにしても俺たちの船の人間は皆、たくましい。龍との戦い...
~
龍を倒すその度に、宴会をしたがるところが問題と言えば問題...
~
おそらく新入りたちの存在が大きいのかもしれない。~
まだ数日の付き合いではあるが、新入りたちはすっかり皆から...
~
今日もまた、新入りたちは宴の……~
~
輪の中に入り、皆と談笑していた&COLOR(BLUE){(22ページ目へ)...
~
輪から少し離れ、皆を眺めていた&COLOR(BLUE){(23ページ目へ)};
***22ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90436)}; [#g9618bd6]
「なんだかすっかり人気者になっちまったねー」~
~
フレイヤがやってきて、俺の隣に腰をおろした。~
~
いつもなら一緒になってはしゃいでいるというのに、今日はこ...
~
「無理矢理巻き込んじゃったけど、正解だったって思ってる。...
~
真剣なまなざしで新入りたちを見つめ、独り言のように漏らし...
~
次へ&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};
***23ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90437)}; [#zacbf632]
「たまにはみんなといっしょに騒いだらどうなのさ?」~
~
フレイヤが奴らの隣に腰をおろす。~
そういうフレイヤも、今日はイマイチ気が乗らないのだろうか...
~
「無理矢理巻き込んじゃって悪かったね。これでも多少は気に...
~
そう言って、はにかむ。新入りたちは「気にしてない」といっ...
~
「巻き込んじまったのはアンタたちだけじゃないか。この船の...
~
宴はまだまだ終わる気配がない。陽気に騒ぐ船員たちを見つめ...
~
次へ&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};
***24ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91009)}; [#e5440cd5]
34日目~
~
「あー、もう海に飛び込んじゃおうかな」~
~
フレイヤはそうぼやくと、海の底を覗き込むように身を乗り出...
~
風のない午後。~
太陽はちょうど空の頂点に鎮座して、意地悪く俺たちにプレッ...
天上に手が届くでもない矮小な存在の俺たちには、うらめしく...
~
フレイヤに目を戻すと、身を乗り出すあまり足が床についてい...
~
いつどこで龍と遭遇するかわからないとなると、さほど軽装で...
~
次へ
***25ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91012)}; [#w689102f]
「そうだ! 近くの島に寄って水浴びしよう! 面舵いっぱい...
~
しまいには思いつきで適当なことを言い出しやがった。~
だがそれもこの船の連中はすっかり慣れっこだ。そんなわがま...
~
だから、矛先は自然と新入りたちに向かう。~
~
「ねぇ、アンタたちは水浴び賛成だよね!?」~
~
聞かれた新入りはその問いに……~
~
・もちろん、と答えた。&COLOR(BLUE){(26ページ目へ)};~
~
・聞こえないふりをした。&COLOR(BLUE){(27ページ目へ)};
***26ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91013)}; [#e32041e0]
「でしょー!? ほらほら、やっぱり歴戦の勇士さまともなると...
~
ひとたび味方を見つけると、こちらが折れるまで延々と主張す...
それは皆もわかっていたから、すでにあきらめた顔で、船を動...
~
フレイヤは無邪気に新入りの肩を抱き、ささやかな勝利を共に...
新入りたちには「フレイヤのわがままを真に受けるな」ときび...
~
次へ&COLOR(BLUE){(28ページ目へ)};
***27ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91014)}; [#c8b45cc4]
誰からも相手にされず、フレイヤはふてくされてしまった。~
~
「ねぇ。新入りなんだから、ちゃんとリーダーの言うことは聞...
~
いくら言っても無駄と悟ったのか、その不満を新入りたちにぶ...
「チームワークを乱した罰として、旅の話を聞かせなね。ちゃ...
と、有無を言わせず船室へと新入りたちを引き連れて行ってし...
~
静かになった甲板……実は一番助かっているのは、龍退治なんか...
~
船員の心はいま、同情と哀れみ、そして安堵の気持ちでひとつ...
~
次へ&COLO(BLUE){(28ページ目へ)};
***28ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91433)}; [#j9b40e7b]
35日目~
~
低いうなり声が海面を伝わり、船を震わせる。~
それが『合図』であることは、皆、すでに身に染みてわかって...
~
「来るよ! 散りな!!」~
~
フレイヤの号令で、龍の正面で対峙していた船員たちが左右ば...
退避が間に合わないと判断した何人かは、ためらわずに海へと...
~
次の瞬間、龍の喉が大きくふくらんだ。船員たちに緊張が走る。~
龍が、自らの体内で練り上げた球状の異物を甲板へと吐き出す...
~
龍族には『ブレス』と呼ばれる力が備わっているという。~
その形は火炎であったり吹雪であったりするらしいのだが、こ...
~
次へ
***29ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91434)}; [#c7b019f9]
最初のころはこの毒の息に手こずったものだが、今ではだいぶ...
~
毒の息が霧散していくのを見はかり、船員たちが体制を整えて...
~
そこから俺たちが勝利を手にするまで、さほど時間はかからな...
~
「しっかし、こんなにもいるんだね守護者ってのは」~
~
負傷者の確認をし終え、フレイヤが戻ってきた。~
次から次へと現れる龍。~
確かに、これほどの数がいるとは思っていなかったし、こんな...
~
もしかして、新入りたちがあの龍を呼び寄せていたりして名。~
~
俺がそんな他愛もない冗談を口にすると、新入りたちは……~
~
・そうかもしれない、と答えた。~
~
・フレイヤが呼び寄せているのでは、と答えた。
終了行:
*碧き境界の継承者 (ID10454)[#ld0841e6]
**説明 [#b96047ee]
誰かが記した本のようだ……
**内容 [#ibef82b6]
***1ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID87474)};[#i162f3fb]
これは、とある船の旅を記した、航海日誌。^
~
<目次>~
≫27日目&COLOR(BLUE){(2ページ目へ)};~
≫28日目&COLOR(BLUE){(3ページ目へ)};~
≫29日目&COLOR(BLUE){(4ページ目へ)};~
≫30日目&COLOR(BLUE){(7ページ目へ)};~
≫31日目&COLOR(BLUE){(12ページ目へ)};~
≫32日目&COLOR(BLUE){(16ページ目へ)};~
≫33日目&COLOR(BLUE){(20ページ目へ)};~
≫34日目&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};~
≫35日目&COLOR(BLUE){(28ページ目へ)};~
≫36日目~
≫37日目~
≫38日目~
≫39日目~
≫月のない夜~
≫全滅~
~
次へ
***2ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID87476)}; [#t7e14d04]
27日目~
~
白い雲が、水平線の向こうから煙のように立ち上がっている。~
~
のどかとも言える風景だ。今日も大きなトラブルもなく、船は...
~
と言うよりも、『今日も何も見つからなかった』という方が適...
~
事故はないのが一番だが、成果もないのにはそろそろ飽きた。~
~
おかげであの人の機嫌も悪い…。~
~
ほら、今も甲板で大きな声を出してる。あの人はホント、いつ...
~
ん?「船が見える」って声が聴こえるな。~
~
変化は大歓迎、ちょっと見てくるとしよう。~
~
次へ
***3ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88018)}; [#m1969026]
28日目~
~
今日も船は水平線の彼方を目指して進んで行く。~
~
別に彼方を目指したいわけではないのだが、もう何日も水平線...
~
昨日見つけた船、あれからなかなか距離が縮まらない。~
~
最初は向こうが逃げようとしているのかと思ったが、船首がこ...
~
じゃあなんなのかって?こっちが聞きたいくらいさ。~
~
次へ
***4ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88468)}; [#pda1f352]
29日目~
~
魔の海域、と呼ばれる海がある。~
~
そこには「大いなる力を秘めている」と伝えられる秘宝が眠っ...
~
それは伝承の中の海であり、その居場所を知るものは誰もいな...
~
伝承自体を正しく知っている者さえ、ほとんどいない。~
~
次へ
***5ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88469)}; [#e3e59630]
ただ、その場所ではいろいろと不思議なことが起こるらしいっ...
~
だから「船の距離が縮まらない」なんてことも不思議じゃない。~
~
それはつまり「ここがお目当ての場所だった」ということだ。~
~
次へ
***6ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88470)}; [#w9a78af1]
あの人はその閃きに、嬉しそうに笑ってたよ。~
~
確かに目的の場所にはたどり着いた。~
~
でもどうする?進むことも戻ることも出来ないんじゃ、打つ手...
~
ところがあの人には何か考えがあるみたいで、「任せときな」...
~
昔から、可愛い顔して妙に人を安心されるところがある。~
~
だから誰も不安なんて感じてないさ。きっと明日には何かが始...
~
次へ
***7ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88970)}; [#vad5af4a]
30日目~
~
昨日の予感は正しかった。~
なぜか今日になり、急に船との間が縮まるようになったのだ。~
~
やがて、俺たちの船に乗り移ってきたのは、一風変わった集団...
見た感じ船乗りには見えない。積み荷だって船旅をするには少...
となると、海賊の襲撃にでもあったどこかの商船の用心棒とい...
護るべきものを護れず、自分たちだけ逃げ延びたのだとすれば…...
~
あの人――“フレイヤ”も同じことを思ったのだろう。~
~
「……そういうの許せないんだよね」~
~
漏らした言葉を俺だけは聞き逃さなかった。~
~
次へ
***8ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88971)}; [#n0a7272e]
「なんにせよ運がないね、アンタたち」~
~
フレイヤは、この海が呪われていることを奴らに告げた。そし...
~
「でも、この船ならアンタたちを無事に陸地へ届けることが出...
~
そういうと、ちらりと奴らの荷物を一瞥した。~
奴らは自分たちの荷物を……~
~
・素直に見せた&COLOR(BLUE){(9ページ目へ)};~
~
・かなくなに見せようとしなかった&COLOR(BLUE){(10ページ目...
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***9ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88973)}; [#f21ff547]
「はぁ? りんごに……ろうそくに……しおり? アンタ、こんな...
~
あきれたように、フレイヤは大げさに空を仰ぐ。~
~
「こんなものもらったって、何にもなりゃしないよ。やれやれ...
~
だが、その後に続いた言葉は予想外のものだった。~
~
次へ&COLOR(BLUE){(11ページ目へ)};
***10ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88974)}; [#ie8599be]
「なんだい、大事そうに荷物を抱えちゃって。アンタ、自分の...
~
フフッ、とフレイヤは不適に笑う。~
~
「威勢がいいのはキライじゃないけど、だったら他に何をして...
~
そして、その後に続いた言葉は予想外のものだった。~
~
次へ&COLOR(BLUE){(11ページ目へ)};
***11ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID88975)}; [#b312c064]
「まぁいいや。アンタ達、うちの船でしばらく面倒見てやるよ」~
~
突然の提案に、奴らは状況が全く飲み込めてないようだ。~
なんせ、俺を含むほとんどの船員も唖然としたのだから、当然...
~
「この船じゃなければ、この海から抜けられない。それは本当...
~
でもね、と続ける。~
~
「代価を支払えないヤツと、働かないヤツには食わせない。そ...
~
働くっていったい何をすれば……そんな疑問と不安が面白いくら...
~
確かに、奴らは運がないみたいだ。よりによってこの船に拾わ...
~
次へ
***12ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89396)}; [#e31c6399]
31日目~
~
「で、アンタたちは結局、何者なの?」~
~
食事の席で、フレイヤが奴らに聞いた。~
~
昨日、奴らを新入りとして面倒見ると言うや否や、まるで準備...
その存在感に俺たちは一瞬ひるんでいたが、新入りたちはなん...
こうなると、ただの商船の護衛とは思えない。ましてやそこら...
~
新入りたちはフレイヤの問いかけに……~
~
・「本の世界を旅してまわっている」と答えた&COLOR(BLUE){(1...
~
・「ただの旅人だ」と答えた&COLOR(BLUE){(14ページ目へ)};
***13ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89397)}; [#y424423b]
「本の世界……って、さっぱり意味わからないんだけど?」~
~
首をかしげるフレイヤに、新入りたちはこれまでどんな本の世...
~
「……ふぅん」~
~
隣に座っている俺にこっそり耳打ちする。~
~
「なんだか、変わった奴らだね」~
~
確かに。本の世界と言うわりには、そのどれもが聞いたことの...
~
次へ&COLOR(BLUE){(15ページ目へ)};
***14ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89398)}; [#e7296afd]
「へぇ、どんなところ旅してきたの!?」~
~
目を輝かして尋ねるフレイヤに、新入りたちはこれまでどんな...
~
「それって本当の話? なんだか、おとぎ話みたいだね」~
~
腑に落ちない顔をしてフレイヤが言う。~
確かに、新入りたちの話は不思議で突拍子もなかったが、作り...
~
次へ&COLOR(BLUE){(15ページ目へ)};
***15ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89399)}; [#i87ee095]
そんなことを言いながらも、フレイヤはますます新入りたちに...
~
だが――~
~
「龍が出たぞ!」~
~
船員の声で、空気が変わる。話はそこで中断し、フレイヤは勢...
~
「話はまたゆっくり聞かせてもらうよ。今は、昔のおとぎ話よ...
~
水しぶきをあげて首をもたげる巨大な影に、フレイヤは誰より...
~
次へ
***16ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89815)}; [#pc08271e]
32日目~
~
今日、立ち寄った島で不思議な鳥を目撃した。その島に生息い...
~
ふわふわとした毛並みに、青い瞳。いや、まぁそれだけなら別...
~
それは、まるで船乗りを気取るかのように、帽子と服を身につ...
まだ子供なのだろうか。せわしなく歩き回っては、つまづいて...
~
だが見た目に騙されてはいけない。~
可愛らしい外見とは裏腹に、ちょっとでも手を出そうものなら...
~
次へ
***17ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89816)}; [#pa860818]
可愛い外見とは裏腹に、ってとこはフレイヤと同じだな。~
~
鳥を見つけるや否や「かわいい!」なんて言っちゃって、捕ま...
~
そういうところ、まだ小娘だなぁと思うよホント。~
~
「ほら!そっち行ったよ!」~
~
追いまわされた鳥が、新入りたちの方へと走っていく。フレイ...
~
・鳥を捕まえようと身構えた&CLOR(BLUE){(18ページ目へ)};~
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・慌てて横に飛び退いた&COLOR(BLUE){(19ページ目へ)};
***18ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89817)}; [#e53f34a8]
「ピキュッ!」~
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甲高い鳴き声をあげ、鳥が高く飛んだ。新入りたちは驚き、空...
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そいつは、たまらずその場でひっくり返るが、鳥は綺麗に着地...
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体型からしてまさかとは思ったが、案の定飛べはしなかったか。~
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フレイヤは、よっぽど目の前の珍事がおかしかったらしく、腹...
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それは誰かのための作り笑いではなく、久々に見る、心からの...
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少し悔しくもあるが……俺は、新入りたちに少しだけ感謝した。~
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次へ&COLOR(BLUR){(20ページ目へ)};
***19ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID89818)}; [#t5e5a90e]
遮るもののない道を、鳥が一目散に走って行く。~
ものすごい早さだ。あの身体の小ささと足の短さで、どうして...
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フレイヤは追いかけるのをあきらめ、その後ろ姿を見送った。~
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「ちょっとー。なんで避けたのさ!?」~
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じろりと抗議の視線が向けられると、新入りたちはバツが悪そ...
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「わかった。アンタたちまだ新人だし、海賊流のチームワーク...
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チームワークなんて言葉、お前知ってたんだな……思わず口から...
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次へ&COLOR(BLUE){(20ページ目へ)};
***20ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90434)}; [#m1cf62a2]
33日目~
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俺たちは“異変”に気づいていた。~
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伝承の海『魔の海域』。そこには秘宝を護る守護者がいるとい...
その守護者とは、いまさら言うまでもなく、あの龍たちのこと...
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だが、おかしい。龍の出没範囲が、明らかに広すぎる。~
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例えば、この辺りには人が住む島もある。その近くさえ、龍が...
未だつかめぬ秘宝の手がかり。この海に起きている異変に、ヒ...
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次へ
***21ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90435)}; [#n5a3fc34]
それにしても俺たちの船の人間は皆、たくましい。龍との戦い...
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龍を倒すその度に、宴会をしたがるところが問題と言えば問題...
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おそらく新入りたちの存在が大きいのかもしれない。~
まだ数日の付き合いではあるが、新入りたちはすっかり皆から...
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今日もまた、新入りたちは宴の……~
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輪の中に入り、皆と談笑していた&COLOR(BLUE){(22ページ目へ)...
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輪から少し離れ、皆を眺めていた&COLOR(BLUE){(23ページ目へ)};
***22ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90436)}; [#g9618bd6]
「なんだかすっかり人気者になっちまったねー」~
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フレイヤがやってきて、俺の隣に腰をおろした。~
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いつもなら一緒になってはしゃいでいるというのに、今日はこ...
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「無理矢理巻き込んじゃったけど、正解だったって思ってる。...
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真剣なまなざしで新入りたちを見つめ、独り言のように漏らし...
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次へ&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};
***23ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID90437)}; [#zacbf632]
「たまにはみんなといっしょに騒いだらどうなのさ?」~
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フレイヤが奴らの隣に腰をおろす。~
そういうフレイヤも、今日はイマイチ気が乗らないのだろうか...
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「無理矢理巻き込んじゃって悪かったね。これでも多少は気に...
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そう言って、はにかむ。新入りたちは「気にしてない」といっ...
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「巻き込んじまったのはアンタたちだけじゃないか。この船の...
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宴はまだまだ終わる気配がない。陽気に騒ぐ船員たちを見つめ...
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次へ&COLOR(BLUE){(24ページ目へ)};
***24ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91009)}; [#e5440cd5]
34日目~
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「あー、もう海に飛び込んじゃおうかな」~
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フレイヤはそうぼやくと、海の底を覗き込むように身を乗り出...
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風のない午後。~
太陽はちょうど空の頂点に鎮座して、意地悪く俺たちにプレッ...
天上に手が届くでもない矮小な存在の俺たちには、うらめしく...
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フレイヤに目を戻すと、身を乗り出すあまり足が床についてい...
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いつどこで龍と遭遇するかわからないとなると、さほど軽装で...
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次へ
***25ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91012)}; [#w689102f]
「そうだ! 近くの島に寄って水浴びしよう! 面舵いっぱい...
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しまいには思いつきで適当なことを言い出しやがった。~
だがそれもこの船の連中はすっかり慣れっこだ。そんなわがま...
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だから、矛先は自然と新入りたちに向かう。~
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「ねぇ、アンタたちは水浴び賛成だよね!?」~
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聞かれた新入りはその問いに……~
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・もちろん、と答えた。&COLOR(BLUE){(26ページ目へ)};~
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・聞こえないふりをした。&COLOR(BLUE){(27ページ目へ)};
***26ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91013)}; [#e32041e0]
「でしょー!? ほらほら、やっぱり歴戦の勇士さまともなると...
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ひとたび味方を見つけると、こちらが折れるまで延々と主張す...
それは皆もわかっていたから、すでにあきらめた顔で、船を動...
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フレイヤは無邪気に新入りの肩を抱き、ささやかな勝利を共に...
新入りたちには「フレイヤのわがままを真に受けるな」ときび...
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次へ&COLOR(BLUE){(28ページ目へ)};
***27ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91014)}; [#c8b45cc4]
誰からも相手にされず、フレイヤはふてくされてしまった。~
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「ねぇ。新入りなんだから、ちゃんとリーダーの言うことは聞...
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いくら言っても無駄と悟ったのか、その不満を新入りたちにぶ...
「チームワークを乱した罰として、旅の話を聞かせなね。ちゃ...
と、有無を言わせず船室へと新入りたちを引き連れて行ってし...
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静かになった甲板……実は一番助かっているのは、龍退治なんか...
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船員の心はいま、同情と哀れみ、そして安堵の気持ちでひとつ...
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次へ&COLO(BLUE){(28ページ目へ)};
***28ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91433)}; [#j9b40e7b]
35日目~
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低いうなり声が海面を伝わり、船を震わせる。~
それが『合図』であることは、皆、すでに身に染みてわかって...
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「来るよ! 散りな!!」~
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フレイヤの号令で、龍の正面で対峙していた船員たちが左右ば...
退避が間に合わないと判断した何人かは、ためらわずに海へと...
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次の瞬間、龍の喉が大きくふくらんだ。船員たちに緊張が走る。~
龍が、自らの体内で練り上げた球状の異物を甲板へと吐き出す...
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龍族には『ブレス』と呼ばれる力が備わっているという。~
その形は火炎であったり吹雪であったりするらしいのだが、こ...
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次へ
***29ページ目 &COLOR(#DDDDDD){(ID91434)}; [#c7b019f9]
最初のころはこの毒の息に手こずったものだが、今ではだいぶ...
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毒の息が霧散していくのを見はかり、船員たちが体制を整えて...
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そこから俺たちが勝利を手にするまで、さほど時間はかからな...
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「しっかし、こんなにもいるんだね守護者ってのは」~
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負傷者の確認をし終え、フレイヤが戻ってきた。~
次から次へと現れる龍。~
確かに、これほどの数がいるとは思っていなかったし、こんな...
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もしかして、新入りたちがあの龍を呼び寄せていたりして名。~
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俺がそんな他愛もない冗談を口にすると、新入りたちは……~
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・そうかもしれない、と答えた。~
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・フレイヤが呼び寄せているのでは、と答えた。
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